引越しのときエアコンは移設と新規購入どちらがお得?エアコン設計者が解説します!

引っ越しのとき、エアコンを移設するのと購入するのとではどちらがお得なのでしょうか。

移設するとしても引越し業者に依頼するのと別業者に依頼するのとではどちらがお得なのでしょうか。

本記事では、国内大手家電メーカーでエアコンの設計を10年以上担当している著者が、引越しのときエアコンを一番お得に設置する方法を徹底解説します。

この記事で解決できるお悩み

  • エアコンは移設と購入どちらがお得なの?
  • エアコンの移設はどこに依頼すればいいの?
  • エアコンの移設にかかる費用は?

\ できるだけ安く引っ越しをしたい方に! /

目次

引越しのときエアコンの新規購入をおススメする場合

引越しの際に新しくエアコンを購入したほうが良いケースは次の3つです。

  • 今お使いのエアコンが製品寿命を過ぎている場合
  • 新しく設置する場所に今お使いのエアコンが設置できない場合
  • 今お使いのエアコンの畳数目安が新しく設置する部屋の広さに合っていない場合

今お使いのエアコンが製品寿命を過ぎている場合

結論からいうと、エアコンの製品寿命が過ぎている場合は買い替えがお得です!

エアコンの製品寿命は10年です。実際に使用されている年数の平均は、平成31年の内閣府消費動向調査によると14.1年。

製品寿命よりも長く使えるイメージのあるエアコンですが、製品寿命を過ぎると経年劣化により故障リスクが増します。製品寿命を過ぎた製品はメーカーが部品在庫を持っている可能性が低いため、故障しても直せない可能性が高いです。

また、10年前のエアコンと比較して最新のエアコンは省エネ化が進みエネルギー消費効率が高いため、最新のエアコンに買い替えるだけで電気代の節約になります。

例えばダイキンの高級タイプ14畳用で比較すると、仕様は次の表のようになります。

年式型式APF年間消費電力量 [kWh]
2012S40NTRXP-W6.61,214
2022AN403ARP-W7.11,060

年間消費電力量を電気代に置き換えてみましょう。 1kWh あたりの電気代を27円(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会による「新電力料金目安単価」)とします。

年間消費電力量は、APFを算出する際に使用した、冷房シーズンと暖房シーズンの電力量の総和です。実際の消費電力量は使用する環境で変化するためあくまで目安としてください。

  • 2012年モデルの年間電気代は、年間消費電力量 1,214 [kWh] × 27 [円/kWh] = 32,778 円
  • 2022年モデルの年間電気代は、年間消費電力量 1,060 [kWh] × 27 [円/kWh] = 28,620 円

2022年モデルは2012年モデルよりも年間4,158円も電気代が安い!!

これをさらに10年使うと考えると電気代は単純に4万円以上も節約になりますね。

新しく設置する場所に今お使いのエアコンが設置できない場合

今お使いのエアコンを移設する場合、引越し先のエアコン設置場所では据付条件が合わない場合があるので次の項目に注意しましょう。

コンセントの形状がエアコンの電源プラグと合っているか

エアコンの電源と電圧には次の関係があります。

また、次の項目もチェックを忘れずに行いましょう。

  • エアコンのコンセントが合っているか(電源電圧・電流が合っているか)
  • 室内機を設置するための高さと幅が確保できているか
  • 室外機を設置できる場所があるか

今お使いのエアコンの移設をオススメ

まず、引っ越し先で取り付ける予定の部屋が、エアコンを設置できる環境になっているか、確認が必要です。

  • 配電盤(ブレーカー)
    • エアコン専用回路があるか
    • アンペア数は30A以上か
  • 室内機の設置スペース
    • 天井、左右壁までが5㎝以上
  • エアコン専用のコンセントがあるか
    • 電源は100Vと200Vのどちらであるかを確認
  • エアコンの配管を出す穴が空いているか
  • 室外機の設置スペース
    • 壁左右5㎝以上、正面側25㎝以上

次に、取り付ける部屋の畳数を確認しましょう。

引っ越し前に取り付けてあった部屋の畳数と引っ越し先で取り付ける予定の部屋の畳数が大きく違う場合には、畳数が広くても狭くても、エアコンが持っている能力が不足したり、性能を十分に発揮できない場合がありますので注意が必要です。

参考として畳数の目安を表に示します。

冷房定格能力畳数の目安
2.2kW6畳
2.5kW8畳
2.8kW10畳
3.6kW12畳
4.0kW14畳
5.6kW18畳
6.3kW20畳
7.1kW23畳
8.0kW26畳
9.0kW29畳

エアコン室内機の下部に、型式と共に掲載されている冷房定格能力を見てください。

その値によって畳数の目安が変わります。

新しいエアコンを買う場合

エアコンの取り外しと回収

新しいエアコンは引っ越し先で取り付けますので、まずは退去する場所のエアコンを取り外しましょう。

エアコンは冷媒としてR32というフロンガスを使っています。

取外しの際は、このフロンガスを室内機側に回収する、「冷媒回収」という作業が必要となります。

作業には知識が必要となりますので、個人では行わずに、引っ越し業者や専門の業者に依頼しましょう。

エアコンの取外し費用は、おおよそ2~3万円程度です。

次に、取り外したエアコンの回収についてです。

エアコンは家電リサイクル法で、対象廃棄物の家電4項目に含まれます。

取り外したエアコンは、適正な方法で回収してもらいましょう。回収は次の3つの方法から選択できます。

  • 街の電気店、家電量販店に回収を依頼
  • 市区町村に問い合わせる
  • 指定引き取り場所に持ち込む

業者から家電リサイクル券を渡されますので、必要事項を記入して提出してください。

エアコンを購入したメーカーによってリサイクル料金が異なります。

リサイクル料金の確認はこちらから。

エアコンの取り付け

引っ越し先でエアコンを取り付ける方法は次の3つです。

  • 購入先の電器店にお願いする(作業は委託先の業者)
  • 専門のエアコン取り付け業者に依頼
  • 引っ越し業者に依頼

それぞれに依頼した場合の参考料金は次のようになっています。

冷房能力 ~ 3.6kw 3.7kw ~ 4.0kw 4.0kw~
ヤマダ¥10,466¥15,714¥18,857
コジマ¥10,780¥15,950¥15,950
エディオン¥18,700~
K’sデンキ¥10,466¥10,466¥18,857
引っ越し業者 ¥ 20,000程度
くらしのマーケット¥10,000~¥18,000

今ついているエアコンを持っていく場合

エアコンの取外し

エアコンは冷媒としてR32というフロンガスを使っています。

取外しの際は、このフロンガスを室内機側に回収する、「冷媒回収」という作業が必要となります。

冷媒回収をせずに取り外すと、冷媒がなくなったり減ったりして、移設先でエアコンを使えなくなりますので注意が必要です。

また、作業には知識が必要になりますので、個人では行わずに、引っ越し業者や専門の業者に依頼しましょう。

エアコンの取り付け

引っ越し先でエアコンを取り付ける方法は次の2つです。

  • 専門のエアコン取り付け業者に依頼
  • 引っ越し業者に依頼

料金の相場ですが、一般的に専門のエアコン取り付け業者に依頼する場合は、エアコン1台につき1万円~1万8千円です。また、引っ越し業者に依頼する場合は約2万円となっています。

エアコンの移設費用を少しでも安くするために

エアコンの移設費用を抑えるための手段は、大きく分けて2つあります。

  • 安いエアコン取り付け業者に依頼する
  • 安い引っ越し業者を探す

安いエアコン取り付け業者に依頼する

安いだけのエアコン取り付け業者には注意しましょう。

くらしのマーケットでは、エアコン取付業者の評価やレビューを見て自分に合った業者を選ぶことができます。

安い引っ越し業者を探す

まずは、引っ越し業者の価格比較を行ってみましょう!合い見積もりをして、他社に価格を提示するとさらに安くしてくれる場合もありますよ。

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この記事を書いた人

あかぺんのアバター あかぺん エアコン設計者

・大手家電メーカーでエアコンの設計開発に従事
・日本国内だけでなく海外向けのエアコンも担当
・エアコンに関わる様々な経験を持つ
 (商品企画/製造/量販店での販売/エアコン設置)

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