一年で一番寒いこの時期、エアコンの暖房の効きは大丈夫ですか?効きがわるいなと感じたときに、考えられる主な原因とその対策について、現役のエアコン設計者が徹底解説します!
考えられる10の原因とその対策
考えられる10の原因とその対策をまとめてみました。お家のエアコンの効きがわるいなと思ったら、いづれかに当てはまっているかもしれません。
部屋の窓が開いている

言うまでもないかもしれませんが、念のため!
新しい日常で、一定の時間間隔で換気をすることが当たり前になり、窓を開けたままエアコンを運転している方が増えているかもしれません。
エアコンは暖房運転のとき、部屋の空気を上部から吸って、熱交換器でその空気を暖めて、部屋に吹き出します。それを繰り返すことでエアコンは部屋全体を暖めています。
窓が開いていると外から冷たい空気が常に入ってくるため、部屋を暖めることがきません。
対策は、換気が終わったら窓を閉めるです。
換気扇がついている

窓が開いているのと現象としては変わりませんが、LDKについているエアコンで、なかなか部屋が暖まらないなと感じたら、キッチンの換気扇がついていないかチェックしてみてください。
換気扇を止めるのを忘れて回しっぱなしにしていると、暖められた空気がどんどん外に逃げていってしまいます。
対策は、換気扇を回しっぱなしにしないです。
室内機の前面パネルが開いている

室内機のフィルタを掃除をするために、前面パネルを開ける機会があると思います。
前面パネルをしっかり閉じていないと、吹き出し口のすぐ上部にスキマが生じます。風の取り込みには有利なのですが、暖房の場合、暖かい風が上に行こうとするので、吹き出した風をそのまま吸い込んでしまいます。この現象を「ショートサーキット」と呼びます。
ショートサーキットをすると温風が部屋中に行きわたらないため、部屋が暖まりません。
対策は、前面パネルをしっかりと閉めるです。
ルーバーが水平もしくは上を向いている

エアコンの風向きを制御する、ルーバーという部品があります。
エアコンからの暖かい空気は天井にたまりやすいため、暖房のとき、ルーバーは下側を向いています。
リモコン操作や手動でルーバーを上げていた場合、暖かい空気が天井付近に溜まり、部屋の下の方が暖まりにくくなってしまいます。
対策は、リモコンの設定でルーバーを下向きにしてください(手動でも構いませんが、モータに負荷がかかるのでリモコンでの設定がおススメです)。
除霜(デフロスト)運転をしている
除霜運転とは、室外機の熱交換器についた霜を溶かすための運転です。一時的に冷暖房の運転を切り替えて、室外側を暖めて霜を溶かします。この時、室内側は冷房運転となり、冷風が出てくるため「暖房が効いていない」と感じてしまいます。
通常、除霜運転中はルーバーが自動的に上向きになり、冷たい風が人に直接当たらないような制御になっています。除霜運転は一時的(5~15分程度)なものですので、終われば暖房運転に復帰します。
しいて対策するためには、霜がつかないよう、室外機の熱交換器に水かお湯をかけてあげると効果的です。ただし、熱湯は水蒸気が電子基板に悪影響を及ぼす可能性があるのでやめましょう。
除霜運転は、エアコンとしてなくてはならない機能です。しかし、寒冷地など、除霜運転に頻繁に入り、暖房を持続させることが難しい地域のために、寒さに強い、寒冷地向けエアコンというものがあります。寒冷地向けエアコンはどの地域でも購入できます。詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
寒冷地対応のエアコンとは?大手メーカー4社で通常エアコンと比較
室外機が雪に埋もれている、囲まれている

暖房シーズンということで雪を例に出しましたが、これは雪に限ったことではありません。
屋外に設置されている室外機(上図)のまわりに遮蔽(しゃへい)物があると、うまく熱交換ができず、十分に性能を発揮することができません。また、エアコンへの負荷が大きくなり故障の原因にさえなります。
対策は、室外機周囲の雪(遮蔽物)を取り除いてあげることです。
室内機の周囲が囲まれている
室内機をおしゃれに魅せるためであったり、目立たなくするためであったり目的はさまざまですが、色々な種類のエアコンカバーが販売されています。
エンジニア視点でみると、お願いだからエアコンを覆わないでほしい!です。
前面や側面などすでに覆われているだけの部分は問題ないですが、風の吸い込み口と吐き出し口をふさぐと、エアコンの能力は大きく低下してしまいます。
吹き出し口をふさいでいる方は少ないと思いますが、吸い込み口をふさいでしまうカバーもあるようです。
吸い込み口をふさいでしまうと、抵抗が大きくなるため、性能が落ちてしまいます。
対策は、エアコンの吸い込み口はふさがない!です。
フィルタにホコリがつまっている
フィルタにホコリがつまっているとエアコンの能力は大きく低下してしまいます。
先ほども述べましたが、エアコンは暖房運転の時、冷めたい空気をエアコン上部(フィルタ部分)から吸って、熱交換器でその空気を暖めて部屋に吹き出します。それを循環させることで部屋全体を暖めます。
このときフィルタにホコリがつまっていると、エアコンが空気を思うように取り込めず、熱交換される空気の量が減り、部屋全体を暖めるこができなくなります。
対策は、フィルタを2週間に一度程度掃除してください。掃除方法は、お持ちの機種の取説を参照してください。
熱交換器にホコリがつまっている
熱交換器にホコリがつまっている場合、こちらも吸い込みの抵抗が大きくなり、性能が落ちてしまいます。
対策は、熱交換器を掃除することです。
熱交換器の掃除は難しいように思えますが、個人で行う場合は、前面パネルを開けてフィルタを外し、市販の熱交洗浄用のスプレーを吹きかけることで掃除をすることができます。ただ、個人で掃除できる範囲では背面側や内側までをしっかり掃除することができません。
そのため、しっかり掃除をしたい場合はエアコンクリーニングをおすすめします。

ファンにホコリがたまっている
室内機のファンにホコリがたまると風を十分に取り込めなくなるため、性能低下の原因になります。
対策は、ファンの掃除ですが、個人で行う場合は、エアコンの吹き出し口からのぞいて綿棒など細いものでファンのブレードを一枚づつ拭いていくしかないのでとても大変です。
ファンだけに限らず、フィルタ、熱交換器などエアコンの汚れが原因である場合におすすめなのは、エアコンクリーニングです。個人では掃除できない部分も、すみずみまで掃除できます。
エアコンクリーニングをする理想的なタイミングは、もし年1回であれば暖房シーズン前です。ファンのホコリは冷房シーズンに堆積しやすいので、暖房を使い始める前にエアコンクリーニングをすると効果的です。
まとめ
本記事では、エアコンの暖房が効かないときに考えられる10の原因とその対策について解説しました。
もし、お家のエアコンの効きがわるいなと感じている方で、本記事の原因であてはまりそうなものがありましたら、対策を実践してみてください。
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