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エアコンの仕組みを現役のエアコン設計者が分かりやすく解説!!~ヒートポンプ編~

エアコン
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エアコンの仕組みってどうなっているのでしょう?ここでは、エアコンのしくみについて現役のエアコン技術者の著者が分かりやすく解説!エアコンに必要不可欠な、ヒートポンプについてご紹介します。

この記事を読むと

ヒートポンプが理解でき、エアコンが空気を暖める、冷やす仕組みがわかります。

エアコンの冷暖房の仕組み

エアコンの構成

エアコンは、部屋の中に設置されている室内機と、家の外に設置されている室外機とで構成されています。

これらは、銅管で接続されていて、銅管の中には「冷媒」と呼ばれるフロンガスが入っています。

この冷媒が室内機と室外機を循環して熱を運搬し、図のように室内機のファンで取り込まれた空気を暖めれば暖房に、冷やせば冷房になります。冷房と暖房は冷媒の流れが逆になるイメージです。

冷房と暖房運転の仕組み
アカペン
アカペン

現在、ほとんどのルームエアコンでは冷媒として「R32」というフロンガスが使用されています。R32は、オゾン層破壊係数がゼロで、さらに地球温暖化係数が低い冷媒です。

冷媒の循環(冷凍サイクル)

それでは、冷媒の流れをもう少し詳しく見てみましょう。

ここでは、例として冷房運転で説明します。

また、ここからは下の図を用いて説明していきます。

冷媒が、エアコン内で温度や状態を変化させながら循環することを「冷凍サイクル」と呼びます。

この「冷凍サイクル」を、エアコンでは、

  • 圧縮機
  • 凝縮器
  • 膨張弁
  • 蒸発器

を使って実現しています。

では、冷凍サイクルのそれぞれの場所で冷媒がどのようになっているか見ていきましょう。

エアコンの冷凍サイクル

圧縮機

まず、冷媒のスタートを圧縮機とします。

圧縮機には、室内機側から「低温で低圧の気体」が入ってきます

ここでは、冷媒の温度が-5℃、圧力を0.5MPa(メガパスカル)としましょう(温度と圧力の値は参考です)。

0.5MPaといわれもピンとこないと思いますが、イメージとしては、1cm2の範囲(だいたい小指の第一関節までの部分)に約5kgの重りが乗っているときの力が、約0.5MPaです。

冷房運転時、冷媒は室内機側で熱を奪ってきています。(室内機の熱交換器を通過して、-10℃から-5℃になっている。)

次に冷媒は、この熱を室外側で放出したいのですが、室外の空気の温度は35℃なので、冷媒が-5℃のままでは放熱できるどころか熱を奪うことになってしまいます。

そこで、圧縮機で冷媒を圧縮することによって、「高温で高圧の気体」にするのです。

ここで、圧縮された冷媒の温度は50℃。圧力は3MPaです。

アカペン
アカペン

圧縮機によって、冷媒は「-5℃,0.5MPaの気体」から「50℃,3MPaの気体」になるんだね!

凝縮器

次に、銅管内の冷媒は室外機の熱交換器(=凝縮器)に入っていきます。

室外機の中ではファンが回っていて、室外の空気を取り込みます。

熱交換器のフィン(アルミの薄い板)の間を風が通り過ぎる際に、図のように50℃となった冷媒は室外空気に熱を放出します。

熱交換のイメージ
アカペン
アカペン

熱交換器は、アルミの薄い板(フィン)が数百枚重なっていて、そのフィンに銅管が突き刺さっています。銅管はターンしたり分岐したりして、効率よく熱交換できるように各社ノウハウが詰め込まれた構造になっています。銅管内に熱い冷媒が通ると、熱伝導でフィンも熱くなり、冷たい冷媒が通るとフィンも冷たくなります。

冷媒は室外に放熱して、「常温で高圧の液体」になります。温度は30℃、圧力は3MPaです。

アカペン
アカペン

凝縮器によって、冷媒は、「50℃,3MPaの気体」から「30℃,3MPaの液体」になるんだね!

膨張弁

次に、冷媒は、室内側で熱を奪いたいのですが、室内温度が25℃であるため、30℃では熱を奪うどころか放熱してしまいます。

そこで、膨張弁という狭い隙間を通して解放することによって圧力と温度を下げることができます。

イメージは次の図のような感じです。ギューッと冷媒が押し込まれ、解放されて分散するイメージです。

膨張弁のイメージ

ここで冷媒は、「低温で低圧の液体」となります。

温度は-10℃、圧力は0.5MPaです。

アカペン
アカペン

膨張弁によって、冷媒は、「30℃,3MPaの液体」から「-10℃,0.5MPaの液体」になるんだね!

蒸発器

最後に、冷媒は室内機の熱交換器(=蒸発器)に入ります。

膨張弁のおかげで低温となった冷媒は、ファンによって室内機に取り込まれた空気(25℃)から熱を奪うことができます。

熱交換のイメージは、室外熱交換器と同じです。流れている冷媒が冷たい(-10℃)ので、25℃の空気から熱を奪います。

そして、室内の空気から熱を奪う際に、冷媒は液体から気体になります。

イメージしやすい例として、消毒などでアルコールを肌に塗るとひんやりして、アルコールはすぐ気体になってしまいますよね。

これは、肌の熱をアルコールの液体が奪って、蒸発するからです。

これと同じことが、室内機の熱交換器でも起こっていて、-10℃の冷媒が、室内機に取り込まれた空気から熱を奪って-5℃となり、蒸発して気体になります。

なので冷媒は、「低温で低圧の気体」となります。温度は-5℃、圧力は0.5MPaです。

アカペン
アカペン

蒸発器によって、冷媒は、「-10℃,0.5MPaの液体」から「-5℃,0.5MPaの気体」になるんだね!

そして冷媒は、次に、奪った熱を室外側で放熱したいのですが、室外の温度は35℃なので、圧縮機の力(電気の力)で再び室外の温度よりも高い温度にするのです。

ヒートポンプ

以上のような流れで冷媒はエアコン内を循環しています。

通常、熱は高いほうから低いほうへ流れますが、

冷媒は、室内25 ℃の空気から熱を奪って、室外35℃の空気に放熱することができています。

これは、圧縮機(ポンプ)によって、熱を低いほうから高いほうに汲みあげているように見えることから、ヒートポンプと呼ばれています。

暖房運転はこの逆で、圧縮機から出た「高温で高圧の気体」が室内機側で空気を暖め、室外機側で空気を冷やします。

まとめ

いかがだったでしょうか?

エアコンは本記事で説明させていただいたように、熱を低いほうから高いほうへ汲みあげることができます。

このヒートポンプのサイクルを利用して、エアコンは、冷房であったり暖房運転を行うことができるのです。

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