【ここだけの話】市販のフィルターはエアコンにとって悪影響!?フィルターのメリットとデメリットを現役のエアコン設計者が徹底解説!!

エアコンの風はお部屋の空気を循環させることができるため、市販のフィルターを取り付けると部屋に浮遊するホコリやウイルス、花粉を捕集させることができます。本記事では、市販のフィルターを取り付けるメリットとデメリットを現役のエアコン設計者が徹底解説します!

目次

市販のフィルターを取り付けるメリット

エアコン室内機の空気の流れ

エアコンは、上部から部屋の空気を吸い込んで、下の吹き出し口から風を出します。

エアコンから出た風は、部屋を循環してエアコンに戻ってきます。それと同時に、空間に浮遊しているホコリやウイルス、花粉なども風にのってエアコンに吸い込まれます

エアコンに標準搭載されているフィルターでもある程度それらを捕集することは可能ですが、フィルタの目の粗さとエアコンの性能はトレードオフの関係であるため、標準フィルターの目は粗いものが多いです。

市販のフィルターには、カビやウイルス、花粉だけでなくPM2.5のような細かい粒子を捕集できるものもあり、標準のフィルターでは捕らえきれないものに効果を発揮します。

よって、市販フィルターを取り付けるメリットは、部屋に浮遊するアレルゲンやウイルスを減少できることです。

また、市販フィルターは汚れたら取って捨てるため、標準フィルターの掃除回数が少なくてすむという利点もあります。

市販のフィルターと取り付けるデメリット

逆に、市販のフィルターを取り付けるデメリットは何でしょうか?

エンジニアとしては、前提として、メーカーで設定したもの以外は取り付けてほしくないです。

アカペン
アカペン

エアコンを設計する技術者としては、ありがたくはないですね!!

理由は、その市販品を考慮して設計していないので、想定外の不具合が発生する可能性があるためです。

そして、市販のフィルターは高性能になればなるほど、目が細かいことが多いです。

目が細かいということは、吸込み時の抵抗が大きく、エアコンの能力を十分に発揮することができません。

暖房運転のときは、吹き出す風が少なくなり、勢いもなくなるため、温風がすぐに舞い上がって人が活動する空間が暖まりにくくなります。

また、エアコンが思うように空気を取り込めず、エアコン内部の圧力が不安定になってしまい、吹き出し口から空気を吸ったり吐いたりしてしまう、サージングという現象が発生する可能性があります。

サージングが発生すると、ファンの音に加えてバサバサという騒音がでてしまいます

さらに、冷房時は、このサージングが非常に厄介です。

熱交換されていない湿気を含んだ部屋の空気を、吹き出し口から吸い込んでしまい、上からきた冷たい空気と混ざり合うことで、ファンや吹き出し口に結露が発生します。

そして、その結露水が成長すると、垂れたり飛んだりする恐れがあります。

メーカーは、標準のフィルターが目詰まりしてもサージングや結露水が垂れないようにテストをしていますが、市販のフィルターは大きな通風抵抗となるため、メーカーの想定範囲外の動きになる可能性が高いのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

本記事では、エアコン用、市販フィルターを取り付けるメリットとデメリットについてご紹介しました。

エアコンの市販フィルターには、メリットもデメリットも存在しますが、

例えば、フィルターを取り付けた状態で送風で運転して、ある程度部屋を綺麗にしてからフィルターを取り外して暖房や冷房運転に切換えるなど、工夫して付き合えば効率よく、フィルターの効果を発揮させることができます

市販フィルターを取り付けを考えている方は、是非参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

あかぺんのアバター あかぺん エアコン設計者

・大手家電メーカーでエアコンの設計開発に従事
・日本国内だけでなく海外向けのエアコンも担当
・エアコンに関わる様々な経験を持つ
 (商品企画/製造/量販店での販売/エアコン設置)

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