雨の日は、夏でも洗濯物の室内干しは避けられないですよね。
でも、室内干しでなかなか乾かずに、生乾き臭に悩まされているかたも多いのではないでしょうか。
生乾きにならないよう、できるだけ早く洗濯物を乾かしたいものです。
さて、そんな時、エアコンの冷房運転は、洗濯物の室内干しに効果があるのでしょうか?
本記事では、その真相と、より効果的なエアコンの使用方法を現役のエアコン設計者が徹底解説します。
結論
夏の洗濯物の室内干しに対して、有効なエアコンの使い方は、『冷房運転』よりも『除湿運転』。
そして除湿運転の中でも、特に『再熱除湿』が効果的です。
また、乾燥に長い時間をかけると、雑菌が繁殖し、生乾きの原因になってしまいます。
洗濯物をできるだけ早く乾かすために、エアコンの除湿運転とサーキュレータ、扇風機を使い、早く洗濯物を乾かしましょう。
洗濯物が乾く原理とは?

洗濯物の表面には水分がでています。
その表面の水分が蒸発すると、洗濯物の内側の水分が表面に出てきて蒸発します。
それを繰り返すことで、洗濯物の水分が徐々になくなり、乾燥していきます。
そのために重要なことは、洗濯物から蒸発した水分が洗濯物の周囲にとどまらないようにすることです。
一定の量の空気中には、含むことができる水蒸気の量が決まっています。
蒸発した水分が洗濯物の周囲にとどまると、洗濯物の水分が蒸発しにくくなってしまい、乾きにくくなります。
風で周囲の蒸発した水分を飛ばすことで、効率よく洗濯物の水分を蒸発し続けることができるのです。
夏の部屋干しに最適なエアコンの運転とは?
洗濯物を乾かすために、表面の水分を蒸発させるために効果的な方法は、次の3つです。
- 高温の乾いた空気を送る
- 洗濯物の水分の温度を上げる
- 洗濯物周囲の湿気をとる
それでは、夏の部屋干しに、冷房運転は効果があるのでしょうか?
また、最適なエアコンの運転は何なのでしょうか?
まず、エアコンの冷房運転の目的は、お部屋の温度を下げることです。
設定温度に到達すると、エアコンは省エネ運転のため、送風運転のようになります。
※これをサーモオフといいます。
冷房運転では、風を送り続けることはできますが、サーモオフしてしまうと、湿度を取り続けることができません。
また、サーモオフすると、少しお部屋に湿度が戻る現象が発生します。これを『湿度戻り』といいます。
では、除湿運転ではどうでしょう?
除湿運転の目的は、湿度をとることです。
除湿運転には、次の2種類の方式があります。
- 弱冷房除湿方式
- 性熱除湿方式
それぞれの違いについて、こちらの記事にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。

再熱除湿は、温度を下げずに除湿をすることができる機能です。
室内機の熱交換器に、温かい部分と冷たい部分を作り、冷たい部分では除湿を行います。
温かい部分を通り抜けた風は、除湿された冷たい空気と混ざって送風されるため、
部屋の温度を下げずに除湿をすることができます。
お部屋を冷やしてサーモオフすることがないため、強い風速も設定可能となっている場合が多いです。
これらをまとめると、再熱除湿方式の除湿運転が、夏の部屋干しに最も効果的であることが分かります。
冷房 | 弱冷房除湿 | 再熱除湿 | |
---|---|---|---|
風の温度 | △ | 〇 | ◎ |
風の強さ | ◎ | △ | ◎ |
部屋の湿度 | ○ 湿度戻り有 | 〇 | ◎ |
継続的な除湿 | △ | ◎ | ◎ |
洗濯物の生乾き臭を防ぐためには!?

洗濯物を部屋干しする際に、最も避けたいのが、生乾き臭ですよね。
生乾き臭は、洗濯物の乾燥に時間がかかった場合に、菌やカビが繁殖することが原因です。
そのため、部屋干しの際は、エアコンの除湿運転を使って早く、効率的に洗濯物を乾かしましょう。
ただし、エアコンで洗濯物を乾燥させる際には、注意すべきことがあります。
それは、エアコン内部の菌やカビを放置していると、その菌やカビが風に乗って洗濯物に付着してしまう恐れがあることです。
これでは、早く乾かすことができても、生乾き臭を防ぐことはできません。
菌やカビの飛散は、洗濯物だけではなく、ご自身やご家族の健康に悪影響を及ぼしかねません。
エアコン内部の菌やカビの飛散を避けるためには、エアコンを清潔に保つことが重要です。
次の2つを守ることで、エアコンの内部を清潔に保つことができます。
- 冷房・除湿運転後は1時間程度送風運転を行い、エアコン内部を乾かすことで、内部カビや菌の繁殖を抑制する。
- 冷房シーズン前後に、業者によるエアコンクリーニングを行う。
業者によるエアコンクリーニングは、ダスキンをはじめ様々な業者が存在していますが、
依頼する業者の対応の良し悪しを事前に判断することは非常に困難です。
『くらしのマーケット』では、実際に作業をしてもらった方々のレビューや点数、業者ごとのサービス内容を詳しく見ることができるため、自分に合ったエアコンクリーニング業者を簡単にみつけることができます。
詳しくは、こちらの記事にまとめました。

\ エアコンの空気をキレイにする /
まとめ
夏の洗濯物の室内干しに対しては、『再熱除湿』方式の除湿運転が効果的です。
より早く乾燥させるためには、サーキュレーターや扇風機でサポートが必須です!!
ただし、カビや菌を洗濯物に撒き散らさないよう、エアコン内部を清潔にして下さい。
エアコン内部を清潔に保つために、冷房シーズンの前後に専門の業者にエアコンクリーニングを依頼して、快適なを実現させましょう!
\ ステイホームをキレイな空気で /
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