電気代の節約に役立つ!APFって何?エアコン設計者が解説する電気代との関係

エアコンのどのカタログを見ても「APF」という指標が出てきます。APFとは通年エネルギー消費効率のことでエアコンの性能を表しています。

本記事では、国内大手家電メーカーでエアコンの設計を10年以上担当している著者が、APFと電気代の関係について徹底解説します。

この記事で解決できるお悩み

  • エアコンの「APF」って何を表しているの?
  • 「APF」と電気代は関係があるの?
  • 同じグレードでもメーカーによって「APF」は違うの?
目次

APFはカタログのどこに記載されているの?

APF は カタログのどの部分に記載されているのでしょうか?エアコンメーカー各社ともに、カタログにはスペック表が載っています。

例として、ダイキンのカタログを見てみましょう。これはRシリーズというモデルの14畳用のスペック表です。APF は 通年エネルギー消費効率のことなので、APFは6.3ということが分かります。

APFの数値は何を表しているの?

APFは、Annual Performance Factor = 通年エネルギー消費効率のこと。

1 年間を通してある一定条件のもとでエアコンを運転したときの消費電力 1kW 当りの冷房および暖房能力を表わすもので、冷房期間と暖房期間をとおして室内の空気から除去する熱量と室内空気に加えられた熱量の総和と同期間内に消費された総電力との比で表わされます。

もう少し分かりやすく言うと、「冷房シーズン中に部屋を冷やすために発揮した能力」と、「暖房シーズン中に部屋を暖めるために発揮した能力」を足し算して、「冷房シーズンと暖房シーズンに使った電力量合計」で割ったものが APF(通年エネルギー消費効率 )です。

この値で、一年を通してどれだけの効率で部屋を冷やしたり暖かくしたりできたのかが分かります。

また、冷房シーズンと暖房シーズンの期間は次のように決められています。

モデル地域東京
住宅平均的な木造住宅(南向き)
冷房期間5月23日~10月4日
暖房期間11月8日~4月16日
1日の稼働時間6:00~24:00の18時間

冷房期間とはルームエアコンを冷房運転する期間をいい、その期間は、標準気象データの日平均気温が22℃以上となる3回目の日から、日平均気温が22℃以上である最終日より2日前までとされています。また暖房期間とは、ルームエアコンを暖房運転する期間をいい、その期間は、標準気象データの日平均気温が14℃以下となる3回目の日から、日平均気温が14℃以下である最終日より2日前の日までとされています。

JIS C 9612:2013より

つまり、この値が大きいほど効率よく部屋を冷やしたり暖めたりすることができるので、性能が良いといえます。

APFによる電気代の違い

APFの値が大きいほど効率よく部屋を冷やしたり暖めたりできる=省エネということになります。より省エネ性能が高いエアコンということは、製品のグレードが上がれば APF も大きい値になると思われます。

では、ダイキンのプレミアムモデル Rシリーズ の14畳用(AN40ZRP-W)とベーシックモデルであるEシリーズの同じ14畳用(AN40ZEP-W)では APFと電気代 はどれくらい違うのでしょうか。

スペック表をみると、Rシリーズの14畳用はAPFが7.1Eシリーズの14畳用はAPFが4.9でした。

つまり、Rシリーズの方がEシリーズよりも、約1.4倍も効率が良いということが分かります。

では、これを電気代に置き換えてみましょう。 1kWh あたりの電気代を27円(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会による「新電力料金目安単価」)とします。

年間電気代は、消費電力量期間合計(年間)×1kWhあたりの電気代で計算できます。

年間消費電力量は、APFを算出する際に使用した、冷房シーズンと暖房シーズンの電力量の総和です。実際の消費電力量は使用する環境で変化するためあくまで目安としてください。

  • Rシリーズの年間電気代は、年間消費電力量 1,066 [kWh] × 27 [円/kWh] = 28,782
  • Eシリーズの年間電気代は、年間消費電力量 1,544 [kWh] × 27 [円/kWh] = 41,688 円

計算結果から、Rシリーズの方が年間で12,906円も電気代がお得であることが分かりました。

APFの比率と同じように年間の電気代も約1.4倍も違っていることが分かりますね。APFは、電気代と大きく関係していることが分かりました。

ハイグレードの機種の方が電気代がダンゼンお得なんですね。

では、購入する時の価格差はどれくらいなのでしょうか。価格.com(2022/09/23時点)で比較してみると14万円の差があることが分かります。これは、約11年使ったら元が取れる計算です。

  • Rシリーズ14畳用(AN40ZRP-W):278,000 円
  • Eシリーズ14畳用(AN40ZEP-W):138,000 円

電気代では購入時の価格差に追いつくまでに11年もかかる計算でしたが、グレードによる違いは性能だけではなく機能による付加価値も違います。例えばハイグレード機種に内部クリーン機能が搭載されていて汚れにくい場合は、汚れが溜まりやすい下位グレードの機種よりも高い効率で使い続けることができるため実際の電気代の差はもっと大きくなる可能性がありますのでエアコン選びの際は参考にしてみてください。

同じグレードでもメーカーによってAPFは違うの?

結論からいうと、同じグレードでもメーカーによってAPFは違います。

では、別メーカーで同じグレードのモデルと比較してみましょう。

ダイキンのプレミアムモデルRシリーズ(AN40ZRP-W)とパナソニックのプレミアムモデルであるLXシリーズ(CS-LX402D2-W)を比較してみます。どちらも14畳用の4.0kW機種です。

  • ダイキンRシリーズの年間電気代は、年間消費電力量 1,066 [kWh] × 27 [円/kWh] = 28,782
  • パナソニックLXシリーズの年間電気代は、年間消費電力量 1,036 [kWh] × 27 [円/kWh] = 27,972 円

上記の計算結果から、パナソニックのLXシリーズの方が年間で電気代が810円安いことが分かりました。

また、それぞれの販売価格を価格.com(2022/09/23時点)で比較してみると27,530円ダイキンのRシリーズが高いという結果でした。

  • Rシリーズ14畳用(AN40ZRP-W):278,000 円
  • Eシリーズ14畳用(AN40ZEP-W):250,470

以上の比較から、電気代に注目するとこの機種に限って言えばパナソニックの方がお得ということが分かります。

まとめ

本記事では、エアコンのカタログに出てくる APF という指標について解説し以下のことが分かりました。

  • エアコンの効率を表す数値であること
  • 電気代とは大きく関係していること
  • 同じグレードでもメーカーによってAPFが違う

本記事でご紹介したように、実際に電気代を消費電力量で計算してみると他社やグレード間の比較がしやすいので、エアコンを選ぶ際には是非参考にしてみてください。

ただし、購入したときのAPFを維持するためにはエアコンをキレイに使うことが必須です。フィルターや風路がホコリやカビなどで目詰まりしてしまうと省エネ性能は大幅に落ちてしまいます。

エアコンが汚れてきたなと思ったらしっかりエアコンクリーニングを行いましょう。

\ 省エネ性能は劣化します! /

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

あかぺんのアバター あかぺん エアコン設計者

・大手家電メーカーでエアコンの設計開発に従事
・日本国内だけでなく海外向けのエアコンも担当
・エアコンに関わる様々な経験を持つ
 (商品企画/製造/量販店での販売/エアコン設置)

コメント

コメントする

目次